「調査不要」と「報告不要」は別物です。

アスベスト事前調査とは(おさらい)

アスベスト事前調査とは、建物の解体や改修工事を行う前に、建材にアスベストが含まれているかを確認する調査です。
この調査は大気汚染防止法および石綿障害予防規則に基づき、原則としてすべての解体・改修工事で実施が義務化されています。

👉 重要ポイント
・規模に関係なく原則すべての工事で必要
・建築物において、2023年10月以降は「有資格者」による調査が必須

報告義務の対象となる工事

事前調査を行ったうえで、一定規模以上の工事では「事前調査結果の報告制度」に基づき、行政への報告が必要です。
具体的には以下の通りです。

👉 重要ポイント
・解体工事 → 延べ床面積 80㎡以上
・改修・補修工事 →  請負金額 100万円以上
・工作物の解体・改修 → 請負金額 100万円以上
上記規模に該当する場合は、アスベストの有無に関わらず報告が必要です。

報告が不要なケース(ただし注意あり)

以下のような場合は、行政への報告義務は免除されます。

小規模工事
• 解体:80㎡未満
• 改修:100万円未満

👉 重要ポイント
報告が不要でも、調査そのものは必須です。(ここを勘違いして違反になるケースが非常に多いです)

そもそも調査自体が不要になるケース(石綿の飛散リスクがないと判断できるケース)

例外的に、そもそも事前調査が不要となるケースもあります。
ただし、これは非常に限定的ですのでご注意ください。

①施工対象建材がアスベストを含まないことが明らかな材料のみのケース
木材、金属、石、畳、ガラス、電球などの石綿が含まれていないことが明らかなものの工事。

👉 重要ポイント
切断等や除去、または取り外し時に周囲の材料を損傷させるおそれのない作業に限られます

②工事対象に極めて軽微な損傷しか及ぼさない作業
釘打ち・ビス止めや軽微な取り付け

👉 重要ポイント
電動工具での穴あけは対象になる可能性あり

③既存建材を壊さない作業
上から塗装するだけや、床材の重ね貼りなどが考えられます

👉 重要ポイント
剥離や洗浄を伴うと調査対象になる場合があります

④2006年9月1日以降に着工された建物
この日以降に着工した建物は、原則として含有の可能性は低いと判断されますが、
着工日が確認できない場合や判断が困難な場合は調査が必要です。

👉 重要ポイント
「着工」であり「竣工」ではないので注意が必要です。

上記をふまえて

「調査不要」と「報告不要」は別物です。

・「調査」・・・原則すべての工事で必要
・「報告」・・・一定規模以上のみ必要

つまり、
・小規模工事・・・調査「必要」、報告「不要」
・大規模工事・・・調査「必要」、報告「必要」
となります。

違反した場合の罰則

報告や調査を怠ると、以下の罰則があります。
・30万円以下の罰金(未報告・虚偽報告)
・作業基準違反で懲役・罰金の可能性

主に元請業者や自主施工者に対して罰則が適用されます。
さらに 工事停止や 信用失墜といった重大なリスクにつながります。

まとめ

✔ 原則すべての工事で「調査」は必要
✔ 一定規模以上で「報告」が必要
✔ 小規模でも調査は必須
✔ 調査不要のケースはごく限定的
✔ 判断ミスは罰則リスクあり

弊社にも大変多くのお問い合わせのある誤解の多いトピックです。
正しく理解して安全な工事を行っていきましょう!