アスベストのレベルとは?実は法令用語ではない理由を解説
建物の解体や改修工事の際に、
「レベル1・レベル2・レベル3」といった表現を耳にすることが多くあります。
現在では広く使われているこの「アスベストのレベル」という言葉ですが、
実は法令で定められた正式な用語ではありません。
レベルの始まりは「建災防のマニュアル」
「レベル」という考え方の起点は、
建設業労働災害防止協会(建災防)が発行した
👉「建築物の解体等工事における石綿粉じんへのばく露防止マニュアル」
にあります。
このマニュアルでは、
アスベストの危険性そのものではなく
👉 発じん性(粉じんの飛び散りやすさ)
に着目し、作業を3つの段階に分類しました。
これが「レベル」という言葉の実質的な始まりです。
レベルの本来の意味
- レベル1:発じん性が著しく高い
- レベル2:発じん性が高い
- レベル3:発じん性が比較的低い
つまりレベルとは
👉危険度ではなく「飛散しやすさ」を示した作業区分です。
行政でも「通称」として使用されている
現在では環境省・厚生労働省の資料でも
👉「一般にレベル1建材と称されるもの」
という形で使われています。
つまり
- 法令用語ではない
- しかし現場では一般化している
という立ち位置です。
正式な分類(用語)とレベルの対応関係
では、法令やマニュアル上の正式な呼び方は何かというと、
以下のように整理されます。
| 正式な用語 | 一般的な呼び方 |
|---|---|
| 石綿含有吹付け材 | レベル1 |
| 石綿含有保温材・断熱材・耐火被覆材 | レベル2 |
| 石綿含有仕上塗材・けい酸カルシウム板第1種 | 明確な区分なし(※) |
| 石綿含有成形板等 | レベル3 |
※レベル3と同等。と判断が多いですが、仕上塗材などは中間的な扱いになるケースもあり、
現場によっては「レベル2寄り」と評価されることもあります。
(このあたりは法令上の明確区分ではないため、判断は調査・仕様によります)
レベルは何のためにあるのか?
レベルは以下を決めるための基準です。
- 作業方法
- 飛散防止対策
- 届出の要否
- 事業者の責務
👉 工事のルールを決める指標
どのレベルでも作業計画は必要
ここはよく誤解されるポイントです。
❌「レベル3だから簡単でOK」
❌「レベル3だから計画書は不要」
これは誤りです。
アスベスト含有建材が存在する場合、
👉 すべてのレベルで作業計画の作成が必要です
また元請業者には
- 作業方法の検討
- 安全対策の整理
- 発注者・下請への説明
といった責務があります。
アスベストのレベルを図解で解説

厚生労働省の考え方
厚生労働省でも
アスベストは「存在」ではなく
👉 「飛散して吸入すること」が問題
とされています。
つまり最も重要なのは、
👉 飛散させないこと。
※石綿については、厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトにて、整理されています。
まとめ
アスベストの「レベル」は
👉 法律用語ではなく、発じん性に基づいた実務上の区分です。
そして重要なのは
- レベル=危険度の絶対評価ではない
- レベルによって作業ルールが変わる
- どのレベルでも適切な計画と対策が必要
という点です。
また、アスベストの工事は判断を一つ誤るだけで
- 法令違反
- 工事やり直し
- 近隣トラブル
につながる可能性があります。
特に
「レベル3だから問題ないと思っていた」
「届出は不要だと思っていた」
といったケースは、実務でもよくあります。
👉 事前に確認しておくことで防げるリスクがほとんどです。
小さな疑問でも構いませんので、ご相談ください。
現場経験のある専門スタッフが対応いたします。
よくある質問(FAQ)
レベル1建材はどんな場所にありますか?
- 鉄骨の柱・梁
- ボイラー室
- 駐車場の天井
👉 鉄骨部分に吹付けられていることが多いです。
レベル2建材はどこにありますか?
- 配管まわり
- ダクト
- 保温材
👉 破砕・切断すると飛散する可能性があります。
レベル3建材は安全ですか?
安全とは言えません。
👉破砕・切断すると飛散する可能性があります。
レベル3建材の工事なら何も準備しなくていいですか?
いいえ。
👉 作業計画はどのレベルでも必要です。
アスベストの判断は見た目でできますか?
基本的に困難です。
- 同じ見た目でも含有あり・なしがある
- 年代・メーカーで違う
正確な判断には
👉 事前調査+分析が必要です
最後に
アスベストは
- 法令
- 自治体
- 実務
が絡むため判断が難しい分野です。
👉 お気軽にご相談ください
参考資料
本記事は以下を参考にしています。
- 厚生労働省 石綿総合情報ポータル
- 環境省・厚生労働省対策マニュアル
- 建災防マニュアル





